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松尾司法書士事務所
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014722
 

成年後見

 

はじめに

はじめに
 
 昨今の高齢者社会に ともない、特に認知症の方が増加していることは皆様もご認識のことと思います。認知症、知的障害、精神障害等の方々は、十分な判断能力を有することが難し く、自ら持っている財産(預貯金、不動産等)を管理したり、介護等のサービスや施設入所に関する契約を結んだりする必要があっても自分自身でこれらのこと をするのが困難であり、又自分に不利益な契約であっても判断できず結んでしまい悪徳商法の被害に合う危険性が高いものと思われます。
このような判断能力の不十分な方々を保護、支援する目的を持って平成 12月4月に制定されたのが成年後見制度です。実は我が国ではこの成年後見が立法化する以前にも「禁治産者」「準禁治産者」といった成年後見と同様の保護 制度はあったのですが、戸籍に記載されたり、ネガティブなイメージ(特に名前)が付きまとったりして結果的に十分な機能が果たせなかった(申立件数が極端 に少ない。)反省を踏まえてできた制度です。
 

成年後見制度の種類

成年後見制度の種類
 
まず、成年後見制度は大 きく「法定後見制度」と「任意後見制度」の二つに分けられます。この二つの違いは法定後見制度が最初から家庭裁判所に後見人等を申立てるものであるのに比 べ、任意後見制度は最初は当事者の契約に始まり、その後、家庭裁判所に後見監督人の選任を申立てる制度です。
法定後見制度は「後見」「保佐」「補助」の三つに分類されます。この分類は本人の判断能力の程度に応じて家庭裁判所が判断いたします。
 
「後見」とは
精神上の障害 (認知症・知的障害・精神障害)が非常に重く、判断能力が欠けているのが通常の状態にある方を保護・支援するための制度です。この制度を利用すると家庭裁 判所が選任した成年後見人が本人(被後見人)に代わって本人の財産を管理したり契約等を行ったり、又本人が単独で行った法律行為を後から取り消すことがで きます。
 
「保佐」とは
 精神上の障害(認知症・知的障害・精神上障害)により判断能力が著しく不十分な方を保護、支援するための制度です。(後見より程度が軽い)
 この制度を利用する と、お金を借りたり、不動産を売買するなど民法で定められた一定の行為について、家庭裁判所が選任した保佐人の同意を得る必要が生じます。よって保佐人の 同意なしで行った行為については本人又は保佐人が後から取り消すことができます。また家庭裁判所の審判によって保佐人の同意権・取消権の範囲を広げたり特定の行為について保佐人に代理権を与えることもできます。
 
「補助」とは
 軽度の精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害)により、判断能力の不十分な方を保護・支援するための制度です。(三つの中で一番程度が軽い)
 この制度を利用すると、家庭裁判所の審判によって特定の法律行為について家庭裁判所が選任した補助人に同意権・取消権又は代理権を与えることができます。上の二つと異なり本人(被補助人)以外のものが補助の申立てをする際には本人の同意が必要となります。
 

任意後見制度とは

任意後見制度とは
 
 任意後見制度とは、本人が十分な判断能力がある段階において、将来、自分の判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ本人が選んだ代理人(任意後見人)に、自分の療養看護・財産管理・死後の事務に関する事務について代理権を与える契約任意後見契約)を公正証書で結んでおくというものです。そうすることで、将来本人の判断能力が衰えたとき、任意後見人が契約で定めた事務を家庭裁判所が選任する任意後見監督人の監督のもと本人に代わって行っていくことにより、当初の本人の意思に従った適切な保護・支援をしていく制度です。法定後見との決定的な違いは最初の段階で契約を行うことにあります。
 

申立権者

申立権者
 
①法定後見
 法定後見については、法律上、申立をすることができる人として、本人(後見の場合は事実上本人申立はない)、配偶者、4親等内の親族、検察官、市町村長が あげられます。尚、補佐の場合、保佐人に代理権を与えたいときは本人の同意が必要であり、且つ補助の場合、本人以外が申立をするときは本人の同意が必要に なります。
 
②任意後見
 本人の判断能力が低下した場合、任意後見監督人を選任する申立ができるのは任意後見人のみです。
 

申立方法

申立方法
 
 ここでは、法定後見の申立について説明します。
申立権者は、家庭裁判所に対し成年後見の申立を行います。その際下記の添付資料が必要となります。
 
   本人の戸籍謄本、住民票
   成年後見人候補者がいる場合はその者の戸籍謄本、住民票
   本人の登記されていないことの証明書
   医師の診断書
 
 尚、申立から後見人等審判確定までの期間については事案により様々ですが概3ヶ月くらいが一つの目途となるでしょう。
 

申立をするケース

申立をするケース
 
 法定後見の申立を行うケースとはいったいどのような時でしょうか。まず本人の判断能力がある程度低下していることを前提とするのですが、単にそれだけでは申立をするには不十分と言えるでしょう。なぜなら①一旦家庭裁判所へ法定後見の申立をし、後見(保佐、補助)の審判が確定してしまうと、もはや事実上取り消すことはできず、原則本人(被後見人、被保佐人、被補助人)が死亡するまでずっとその者の行為能力に制限が課せられ続けることになること。②親族のサポート(身上看護、財産管理)が十分に得られ、且つ管理面における親族間にトラブルも生じる可能性がなく、本人としても現状の環境で十分満足している旨がはっきり意思表示できる場合はわざわざ裁判所を介してまで後見制度を利用する必要性が乏しい等・・といった理由が挙げられるからです。
 ここで、法定後見を申し立てうる場合を具体的にいくつかご紹介いたします。
 
(ケース1)
 鳥取市の自宅で一人暮しをしているAさん(85歳)は、子供も独立し、皆県外で生活をしているためAさんの面倒を頻繁にみることができません。Aさんは最近認知症の病状が発症し、銀行通帳、実印等の財産の管理や病院への通院や入院費の支払い等が困難になってきました。
 
(ケース2)
 鳥取県の郡部の自宅で暮らしているBさん(86歳)は、夫Cさん(88歳)と2人で住んでいますが、最近Cさんに認知症の症状が現れ、将来に不安を覚えています(自分がもし先に死んだらCさんの面倒はどうしよう・・・)
 
(ケース3)
 鳥取市の自宅で暮らしているAさん(70歳)は、現在一人娘のBさん(40歳)と2人で住んでいますが、Bさんは重度の知的障害者であり、もし、Aさんに将来認知症等の症状が出た場合、Bさんの介護、財産管理をどのようにすればよいのか悩んでいます。
 
(ケース4)
 東京都在住のAさん(40歳)は、一人鳥取市で生活している父Bさん(82歳)のことで悩んでいます。というのもBさんは最近軽い認知症の症状が出たため日常生活にも若干支障が起きており、そのためBさんに施設への入所を勧めておりますが一向に首を縦に振りません。またBさんはこの前電話勧誘にて、不要な布団の契約をしてしまい多額な金銭を支払っており、今後同様のことが繰り返されるのではないかと心配です。
 
(ケース5)
 鳥取市在住のAさん(65歳)には子供が2人いますが、そのうちの一人Bさん(35歳)は、交通事故で頭部外傷による高次脳機能障害を患っており、現在も 全く意識が回復しません。この度、Aさんの夫(既に死亡)の相続財産である土地をAさんの名義にしたいと思い遺産分割協議をしようとしたのですが、Bさんが意思表示できないため遺産分割協議が成立しません。Bさんの為の第三者後見人が必要とのことでした。
 
(ケース6)
 鳥取市在住のAさん(55歳)の父Bさん(89歳)は、現在重度の認知症となっているところ、Bさんは多くの財産を持っており、その収入(家賃、株式の配当等)及び多額の預金の管理を事実上Aさんが行っていました。しかし、Aさんの弟であるCは、Aさんが行っているBさんの財産管理を快く思っておらず、それら財産の管理を第三者にして貰いたいと思っています。
 

成年後見人等の主な職務

成年後見人等の主な職務
 
(1)被後見人の通帳等の管理(預貯金の解約等を含む)
 被後見人の財産管理に関する大きな割合を占めるのがこの通帳管理です。
被後見人には、後見開始の審判が下りたあとも何らかの収入があるはずです(年金、不動産収入、保険金収入等)。これを後見人は管理するのです。管理方法としては、通帳の名義を被後見人のまま行うか、別に成年後見人自身の名義の通帳を作り、そこで入出金するかどちらかです。但し成年後見人の名義の通帳を作ったときは、そこに年金等が振り込まれるよう手続をする必要があります。
 
(2)被後見人の施設等の入所契約の締結
 被後見人の自宅での介護に支障が出たため、施設等に入所する必要が生じた場合、成年後見人は、被後見人の状況(身上面、経済面)を総合的に判断し、その者にとって一番有益な施設への入所契約をする必要があります。
 
(3)被後見人の所有不動産の売却(家庭裁判所の許可を要する)
 たとえば被後見人が有料老人ホームに入所する資金を捻出するため、その所有する不動産を売却する必要があることも考えられます。そのときは成年後見人は代理人として不動産の売却手続をします。しかし売却対象物がこと「居住用財産」の時は、事前に家庭裁判所の許可を受けなければなりません。この許可はかなり厳格であり、正当な理由がなければ許可が出ないのが通常なので注意が必要です。
 
(4)公共料金(健康保険、年金等を含む)の支払または受取
 これも(1)と同様、成年後見人に与えられた財産管理権の行使の大きな役割の一つです。各関係機関との間での諸手続が必要です。
 
(5)遺産分割協議への参加、保険金等の受取
 被後見人が相続人もしくは保険金受取人となっている場合に、被後見人に代わって行う手続です。特に遺産分割協議への参加については、①家庭裁判所の許可を要し、②被後見人の有する「法定相続分」の確保を前提とするといった注意が必要です。
 
(6)家庭裁判所への定期的な報告(1年に1回程度)
 成年後見人は、まず就任後1ヶ月以内に財産目録、収支計算書等の書類を作成、それらを家庭裁判所へ報告し、その後は1年に1回程度収支の報告を家庭裁判所へ報告します。
ここで注意しなければならないのが、特に親族が成年後見人となっている場合後見申立をする以前からの習慣等を完全に切り捨て、被後見人の財産と親族の財産をしっかり区別しておくことです。家庭裁判所は、被後見人の財産の得喪を非常に厳格にチェックします。使途不明金の存在があった場合、その金額、財産喪失の頻度によっては、たとえ成年後見人が親族であったとしても、その喪失した財産の補填を裁判所から要求され、出来なければ成年後見人の解任を告げられる恐れがあり、場合によっては業務上横領罪(親族相盗が適用されない)による刑事告発もありうるので、財産の管理はしっかりしておかなければなりません。
 

( 成年後見制度の課題と問題点 )

( 成年後見制度の課題と問題点 )
 
(1)後見人等の担い手不足
 前述したとおり、親族が後見人等になる割合が徐々に減少しており(ちなみに本制度が 制定された平成12年度は、親族後見が90%超。以後10年で約3割減少したことになる。)、一方第三者後見人の割合が増えているのが現状です。更に成年後見申立件数自体も年々増えており、高齢者人口も増加することを思えば、今後益々第三者後見人の確保が重要な課題となっています。
現在、第三者後見人(職業後見とも言います)は、司法書士、弁護士、社会福祉士の3者で全体の90%を超えております。しかし、これら3者のみでは、今後の成年後見人の担い手としては絶対的に不足することは明らかでしょう。
そこで、近年、成年後見人の養成並びに人材確保を一般市民に求めた動きが活発となり、都道府県、日本成年後見法学会等による「市民後見人の養成講座」が各地で開催され、既に多くの市民が各地で第三者後見人(市民後見人)として活躍されています。
 
(2)成年後見制度自体の理解不足
 成年後見制度は、制定から13年が経過し、ある程度名前だけは浸透してきたように思います。
しかし、この成年後見制度の趣旨、運用(何をするのか、誰のためにするのか等)点において、まだ一般市民の理解がほとんど得られていないのが現状であるといわざるを得ません。将来的には我が国の人口分布において大きな割合を占める「団塊の世代」といわれる方々の多くがこの制度を利用しなければならない事態にさしかかるかもしれないことを考えると、この成年後見制度の利用は、今後増えることはあっても決して減ることはありません。この制度自体、法律面及び運用面においてまだまだ不備な点はあるでしょう(医療同意権の必要性、後見人等の能力担保等)。
しかし、一人でも多くの一般市民がこの制度を理解、利用することにより上記の問題点が明らかになり、制度自体の改善の後押しとなることを期待します。
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